1)蓄電池の性能について
蓄電池には通常、定格出力や定格容量、初期実効容量などの性能が表記されています。
定格出力はkWで表され、蓄電池が一度に出力できる電気量のことです。例えば、5kWの蓄電池であれば、照明、冷蔵庫、テレビ等々、各機器の消費電力を合計して5kWの機器が一度に使えるということになります。
定格容量はkWhで表されますが、これは1時間に使える電気量です。すなわち、蓄電池が貯めることができる電気量のことです。通常、出力が5kWであれば容量は5kWhといえます。1kWの出力の機器なら5時間使うことができることを意味します。当然のことながら、容量の大きいほど長い時間使えるということになります。
ただし、蓄電池には初期実効容量というのが設定されています。これは、実際に使用できる蓄電池の容量を示しています。すなわち、定格容量が5kWhだから5kWh分すべて使えるというわけではないということです。初期実効容量は通常、定格容量に対して平均1kWh程度減らした値が設定されているそうです。5kWhの蓄電池なら、初期実効容量は4kWhとなり、1kWの機器は4時間しか使えないということになります。
なお、「初期」実効容量と書かれていますので、あくまで新品の状態での容量のことであり、年を経れば減っていくことが予想されます。
2)対象とする蓄電池
蓄電池のメーカーはいろいろありますが、ここではたまたまパンフレットを入手した某社のものを対象にしました。出力4.9kWhと7.4kWhの2種の蓄電池があり、それぞれ2台接続すると、9.9kWh、14.9kWhの出力にすることができるようです。
2種の蓄電池の初期実効容量は、4.9kWhが4.2kWh、7.4kWhが6.4kWhとなっています。すなわち、4.9kWhの蓄電池は4.2kWh、7.4kWhの場合は6.4kWhが実際に使える電気量ということになります。ちなみに、9.9kWh(4.9kWh 2台)の初期実効容量は8.6kWh、14.9kWh(7.4kWh 2台)のそれは12.9kWhです。